MPlayer1.0 pre6 (Dec 23)
クリスマスに併せてpre6をリリースしておくとのこと。以下、とりあえず速読の意訳を含む適当な日本語訳。
前回のリリースから5ヶ月。MPlayer史上最高に更新点が多いので、キーボードを打つのが大変でした。そこで、ついにこのバージョンをリリースして世界へクリスマスプレゼントを贈ることにしました。まあ、クリスマスは明日ですが、今日リリースしたのはコンパイルに1日待つ必要があるかもしれないからです。クリスマスよりも先にプレゼントを開けてしまわないでくださいね。中を覗いたりせずにtarボールのままそっとしておいてください。もしクリスマスよりも先にバグレポートやコメントが送られてくるようなことがあったら、あんた地獄に落ちるわよ!
で、最も大きな更新点は、さらに多くのCodecに対応したことと、前バージョンの重大なバグフィックスです。Michael Niedermayerによる実験段階のWaveletベースのSnow Video Codecが特筆すべき点でしょう。これはとても将来性が期待でき、ビデオエンコードの将来もこのよう(Waveletベース?)になるでしょう。H.264 with x264とtoolameのMP2へのエンコードにも対応しました。
それはさておいて、信じられないことが起こって、ついにすべての利用可能なオプションがドキュメントになりました。あなたの探している機能がドキュメント内に見つからないのなら、そんな機能は存在しないということになります。「つーか、ヘルプ読めやボケェ*1」ということです。あなたのマシンが遅ければ、libavcodec (-vfm ffmpeg -lavdopts lowres=0-3)で低解像度のデコードにするべきです。運が良ければDVDやMPEG4を再生できます。Mac OS Xは、VCD と Real/Helix codec (新しいパッケージを入手してください) のサポートで改善されました。Windows版では、新しい DirectSound オーディオ出力がサポートされ、-wid オプションはブラウザプラグインのビルドを許可するはずです。もし Polypaudio サウンドサーバーを使っているのなら、まさにそんなあなたのためのモジュールであります。
依然として古いオーディオプラグインはオーディオフィルタに変換されました。そのため、次期バージョンではオーディオプラグインはなくなります。すでに古い ALSA9 と ALSA1x オーディオ出力ドライバがなくなり、代わりに ALSA オーディオフィルタが使われています。
いつも通り、バグフィックスが多すぎてすべてには言及しきれません。至る所でバグフィックスをしているので、MPlayerは今までよりも快適に安定して動作するはずです。ほかに触れておくことと言えば、ファイルに対する長さと再生位置が正確に表示されるようになることと、MPlayerの出力が冗長ではなくなっていることでしょうか。
更新点のログは MPlayer 1.0pre5try2 との差分で、 最近のすべてのセキュリティの修正が書かれています。地獄で逢おうぜ!(メリークリスマス)
以下、更新点。(途中から面倒くさくなって超適当になっているので要注意)
[ドキュメント]
- ついにすべてのオプションを記載
- man ページの見直し
- すべてのオーディオ出力ドライバのサブオプションを記載
- すべてのビデオ出力ドライバのサブオプションを記載
- man ページにオーディオフィルタのセクションを追加
- XviD を完成
- フランス語の man ページを同期化
- ドイツ語の man ページを更新
- 新しくチェコ語とスウェーデン語に man ページを翻訳
- ほか、様々な修正
[動作]
- Athlon64(x86_64) に完全対応
- Quartz ビデオ出力ドライバにて「-rootwin」「-panscan」オプションに対応
- Quartz ビデオ出力ドライバの key repetition とアスペクトを修正
- "Movie" menu for quartz video output driver with zoom options & preset
- fs_res Quartz ビデオ出力ドライバサブオプションはフルスクリーンを選択
- Darwin (Mac OS X) の VideoCD に対応
- Mac OS X Finder のスタートアップ引数に対応
- MinGWでの stdin 入力と slave mode を修正
- DirectX 出力ドライバで「-rootwin」「-colorkey」「-wid」オプションに対応
- DirectX ビデオ出力ドライバのモニタ選択を改善
- DirectSound オーディオ出力ドライバを追加
- Windows版にてマウスに対応
- ZetaOS (だいたいは動く)に対応
[ドライバ]
- VESA と GGI ビデオ出力ドライバのバグ修正
- 「-vo jpeg」サブオプションのほうが良いのようなので「-jpeg」オプションを削除
- JPEG ビデオ出力ドライバの複数のディレクトリへの出力に対応
- Blinkenlights ビデオ出力ドライバを改善
- OpenGL ビデオ出力ドライバのカラーフォーマットを修正 (manyfmts サブオプションで)
- aspect, panscan, hardware OSD support in the OpenGL video output driver
- new pnm and md5sum video output drivers, replacing pgm and md5
- yuv4mpeg video output now has a file= suboption, can be used with -fixed-vo to concatenate files having same width, height and fps
- JACK オーディオ出力ドライバを更新
- ALSA9 と ALSA1x を廃止して、ALSA オーディオ出力ドライバにした
- hwac3 に対してもALSA オーディオ出力ドライバが常に指定されたデバイスを使うようにした
- ALSA オーディオ出力ドライバのミキサーチャンネルを選択できるようにした
- audio output driver for the polypaudio sound server
- VIDIX: Cyberblade TV出力
- VIDIX: I420 support for Cyberblade and mga
- VIDIX: big-endian systems での Radeon に対応、ほか Radeon に関するバグを修正
- VIDIX: Radeon R200 QM (Radeon 9100) に対応
- CLE266 VIDIX ドライバを追加
- 試験的な SAVAGE VIDIX ドライバを追加
[デコーダ]
- 20 と 24 bit リニアPCM (DVD-Audio) に、"試験的に"対応
- libmpeg2 を 0.4.0b に更新した
- libfaad2 updated to 2.1beta CVS snapshot
- libavcodec で DTS をデコード
- DLL で Windows Media Audio 9 Voice に対応
- DLL で Windows Media Video 9 Advanced に対応
- DLL で Windows Media Screen Codec 2 に対応
- DLL で Windows Media Image Codec に対応
- DLL で Windows Media Image 2 Codec に対応
- DLL で VDOWave Video に対応
- libavcodec Miro VideoXL Video に対応
- libavcodec、DLL で Creative ADPCM Audio に対応
- libavcodec で IBM Ultimotion Video に対応
- DLL で Micronas Speech Codec に対応
- libavcodec で H.261 Video Codec に対応
- libavcodec で TechSmith Camtasia Video Codec に対応
- libavcodec で Sonic Audio Codec に対応
- libavcodec で Snow Video Codec に対応
- libavcodec で QuickDraw Video に対応
- Cinepak、CYUV、RoQ Audio/Video を FFmpeg に移動
- DLL で Vianet Lsvx Video に対応
[多重化]
- NSV: 「-nosound」「-novideo」に対応
- Matroska: 字幕のスイッチングと言語コードの表示に対応
- .vp5 ファイルフォーマット (非AVI) に対応
- オーディオのみの ASF ファイルのシークを修正
- MP3 の検出を改善
- .mp4: AVC に対応
- libavformat で Raw H.261 ファイルに対応
- MPEG: シーク精度を改善
- MKV: 字幕言語コードの処理を改善
- support DVHS files and H.264 over MPEG-TS
- MOV: 長さと位置をシークバーに表示
- MOV ファイルの Raw Video の再生を改善
[ストリーミング]
- 「-cache-min」「-cache-prefill」 オプションを追加
- compilation fix for newer LIVE.COM versions
- ECC なしで ASF を make
- 非標準ポートを使用した MMS に対応
- Real RTSP ストリームで EOF を検出するようにした
- reduced resolution decoding with the lowres option
- 新しい試験的な Wavelet-based Snow Video Codec
- 新しい Sonic Audio Codec
- TechSmith Camtasia Video デコーダ
- IBM Ultimotion Video デコーダ
- QuickDraw Video デコーダ
- Creative ADPCM デコーダ
- Miro VideoXL デコーダ
- Sierra Online Audio ファイルを多重化しデコード
- QPEG Video デコーダ
- Electronic Arts Game Multimedia フォーマットを多重化
- H.261 修正し、 H.261 エンコード
- VIS accelerated code を修正
- libdts で DTS に対応
- Raw DV ファイルをシークする際の多くの DV のバグを修正
- MOV ファイルの AAC に対応
- RV10, RV20 を修正
- RV20 エンコード
- AVI 多重化を最適化、パレットの変更に対応
- iTunes メタデータに対応
- HuffYUV を修正 (endianness, RGB32 predictor, median encoding, interlacing)
- ffvhuff (enhanced HuffYUV codec)
- 4x4 比較機能のため、SSE を最適化
- epzs motion search enhancements
- Quad tree based のモーション解析
- MPEG-4 qpel MMX2/3DNow! を最適化
- H.264: lot of fixes and MMX2/3DNow! optimizations
- AVC1 (H.264 without sync word in .mp4 files) support
- H.264 qpel motion compensation
- Indeo3 グレースケールデコード
- Truemotion 24 bit デコーダ(準備中)
- Avizlib エンコーダを修正
- H.263 において trellis quantization に対応
- DCT を最適化
- AmigaOS4 で AltiVec に対応
- Athlon64(x86_64)に対して MMX/MMX2/SSE/3DNow! を最適化
- シークを修正
- オーディオリサンプリングを改善、速度を向上
- 新しい dc1394 grabbing interface
- H.264 with CABAC and B-frames のデコードに対応(準備中)
- ASF demuxer で dvr-ms に対応
- NSV 多重化
- DVD 互換 MPEG ミキサ
- MJPEG-B を修正
- range coder (arithmetic entropy coder) used by snow and ffv1
- ffv1 enhancements: signed golomb, range codes
- multi slice support for main profile H.264 streams
- その他、多くのバグを修正し、最適化した
[フィルタ]
- ハードウェアがボリュームコントロールに対応していない場合、「-softvol」と「-softvol-max」 パラメータで制御されるソフトウェアボリュームコントロールを行うようにした
- 「-af lavcresample」で high-quality オーディオリサンプリングを行うようにした
- cropdetect rounding parameter
- MPlayer -af ヘルプ
- オーディオプラグイン (extrastereo, volnorm) をオーディオフィルタに変換
- sine sweep generator audio filter
- 複チャンネルオーディオをヘッドホンのために2チャンネル出力に変換するための HRTF オーディオフィルタで音空間を保護するようにした
- RGB2RGB コンバータにおいて、big-endian を修正
- YUV2RGB Altivec optimization fixes
- LADSPA プラグインに対応
[GUI]
- オーディオオプションダイアログを統合(ALSAも含む)
- オーディオのみの場合の CPU 使用を減らした
- コンテキストメニューにアイコンを追加
- doublesizeのバグを修正
- Preferences パネルを開いたあとに遅くなるバグを修正
- Preferences パネルを使用したあとに遅くなるバグを修正
- 翻訳のため、不要なメッセージをヘルプファイルに移動
[エンコード]
- x264 エンコーダに対応
- libtoolame を使った MP2 エンコードに対応
- libavcodec の"turbo mode"で 2-pass エンコードの速度を上げた
- libavcodec と x264 への 3-pass エンコードに対応
- XviD エンコーダとデコーダモジュールを API-4.1 (XviD-1.1.x) にした
- エンコードプロセスの最後に残ったフレームをflushするようにした
[その他]
- 「-loop」と「-shuffle」が同時に機能するようにした
- EDL サポートを改善
- いくつかの「--disable」のconfigure時のオプションを機能させた (mp3lib, liba52, libmpeg2)
- Framestepping
- 再生速度を変更
- バイナリコードに含まれるクラッシュ要因を修正
- SAMI ファイルの字幕割付に対応
- Windows パスの区切りの'\'に対応
- ヘブライ語字幕におけるコンマの扱いのために FriBiDi を修正
- クラッシュ後自動的にデバッグするための「-crash-debug」オプションを追加
- gcc 4 コンパイルを修正
- TOOLS ディレクトリの多数のファイルのコンパイルを修正
- いまわしい "stuck mouse button" バグを修正し、「-key-fifo-size」オプションに変更
- MPlayer の出力の冗長をいくらか低減させた
- 「-identify」オプションで使用可能な言語についての何らかの情報を表示するようにした
- ダブルバッファリングをデフォルトに
- メモリリークを修正
コンパイルに半日かかりながらもインストールしてみた。1.0pre3に比べると、gmplayerは野暮ったいGnomeインターフェイスが微妙に刷新され、メニューにアイコンがついていた。