千里眼 優しい悪魔

これまでの作品は小学館版だけ読んでいても矛盾や疑問はなかったわけだが、この巻は「千里眼の復讐」も読んでいないと話が見えない箇所が多々ある。コンピュータのプログラムのように版を重ねる度に矛盾点や荒い部分を修正していく姿勢は好きだが、ここまでやられると読者サービスの度を超していると思う。(コンピュータで思い出したが、作中のCPUの処理能力とハードディスクの空きに何の関係があるのだろう?)
あと角川になってからは小学館のときは1冊で出るような分量でも上下巻にわけて刊行するようになったのも残念。さらに今回は誤字だらけで校閲・著者校もろくに入ってないようで、嫌々書いているのではないかとさえ思える。
しかしこの巻ではダビデの言動が面白かった。あと予想外のところで「中の人などいない」「中の人も楽じゃない」とかいうセリフが出てきて吹いた。